目次
はじめに
狩猟関係で無線従事者免許(第四級、第三級アマチュア無線技士)を取得しましたが、ついでにプロの無線従事者免許も取得したくなってきました。
情報系を支えているのは電気電子通信分野です。無線従事者免許を取得することは情報系エンジニアとしては決して無意味なことではなく、通信インフラがますます重要になってきている現代においては有意義な寄り道になります。(あと、無線従事者免許は法的にできることが増えるという大きなメリットがあります。)
また、アマチュアとは異なりプロの無線従事者免許の方が試験が難しそうに見えますが、実は科目免除の制度があるので段階を踏めばアマチュア無線技士試験よりもプロの無線従事者免許(例:第一級陸上無線技術士や第一級総合無線通信士)の方が簡単な側面もあります。
そこで、プロの無線従事者免許を取得する前段として、電気通信主任技術者を取得しました。
投稿時点(2026年2月)の最新情報をこの記事に綴ります。
この記事のターゲット
今回の記事は、以下の方をターゲットにこの記事を書いています。
- プロの無線従事者免許(第一級陸上無線技術士や第一級総合無線通信士)を取得したい人
- 電気通信主任技術者試験を受験する人
電気通信主任技術者とは
電気通信主任技術者とは、要するにNTTやKDDIをはじめとする各種通信事業系会社にて、この資格を持った技術者を一定数配置しないといけないというものです。つまり、この資格を取る必要がある人は、必然的に通信インフラ系で働くエンジニアということになります。
そして、もう一つ重要なことがあります。それは、この試験に合格して資格者になると別の資格試験の科目免除を受けることができるということです。例えば、無線従事者免許試験(一陸技、一総通など)の無線工学系科目を、2科目ほど科目免除できます。
つまり、(通信事業者で就職している/就職を予定している方以外で、)この試験をオススメしたい人は…
- 電気電子系や情報系の学生や社会人
- 通信系の研究をしている/興味がある学生や社会人
→電気電子通信分野について理解が深目ることができます。
そして、…
- 将来的に無線従事者免許の取得を考えている人
→科目免除の恩恵が受けられます。
自分が電気通信主任技術者試験を受験する理由
先にも書きましたが、自分が電気通信主任技術者試験、そして、第一級陸上無線技術士(以下、一陸技)や第一級総合無線通信士(一総通)といった無線従事者免許を取得したいと思った経緯は、…
- 情報系を支えているのは電気電子通信分野であり、情報系エンジニアとして理解を深めておきたい。
- 無線従事者免許を持つことで法的にできることが増える(IPAの資格は法的にできることは増えない。応用情報以上の合格で様々な恩恵は受けられるけど…)
- 大学生時代の復習をしたい
ということです。
一陸技や一総通は、特に自分の仕事上必要という訳ではなく、無くても困らないし、あっても特に何かが起きる訳でもありません。一方で、IPA系の試験は合格しても法的にできることが増えるわけでさないためモチベーションが薄いが、一陸技や一総通などの電気電子通信系の資格試験はたちまち合格してしまうと、有効期限なしの免許がもらえて法的にできることが増えていくことからモチベーションはかなり大きいです。
そういう事情から、自分の資格試験勉強のモチベーション維持のためにこういう試験(電気通信主任技術者試験や無線従事者免許試験)を受けようと思いました。(IPAの試験は年間2回だけですので、その合間に電気電子通信分野の試験を受けるということ。)
繰り返しになりますが本資格や無線従事者免許は有効期限がなく一生涯有効です。一方で、情報系資格はIPAを含め不定期で刷新される+法的にできることが増えるわけではありませんし、権威ある国際資格は有効期限の更新が必要になるものもあります。
つまり、情報系分野は変わりゆく情勢に継続して順応していく必要がありますが、電気電子通信分野はそうそう大きく変わるものではありませんので、本資格や無線従事者免許というのは取得のメリットは大きいと言えます。
ちなみに、私の受験プランは…
- 電気通信主任技術者(伝送交換主任技術者) 試験:3科目受験
- 一陸技 試験:2科目受験(法規、無線工学B)、2科目免除(無線工学の基礎、無線工学A)
- 一総通 試験:3科目受験(法規、電気通信術、英語)、3科目免除(無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B)
の順で受験を予定しています。この順番で受験すると科目免除の恩恵が一番大きいです。
また、これらの試験科目は1度合格すれば3年間有効になりますので、複数回受験でゆっくり全科目合格を狙うということもできます。
更に、前述の科目合格の仕組みを応用することで、先に一陸技の法規、無線工学Bに合格しておいて、後から電気通信主任技術者(伝送交換主任技術者)に合格する→一陸技の合格証明願をする、というルートもあります。
最後に。一陸技と一総通を持つことで、日本国内のあらゆる無線設備の技術操作・無線通信を行うことができます。

出所:日本無線協会https://www.nichimu.or.jp/denpa/faq/index.html#vcb00000144-26-18-BasicParts-3-1-01
また、海外においても日本と相互認証のある国であれば、必要な手続きを経て日本の無線従事者免許を使用できます。
電気通信主任技術者試験・試験の概要
以下にまとめます。
- 種別
- 電気通信主任技術者
- 伝送交換
- 線路
- 電気通信主任技術者
- 試験開催
- 年2回開催(第1回:7月、第2回:1月)
- 受験料
- 約3万円 ※年々値上がりしています
- 試験地
- 全国13か所(公示を確認すること)
- 試験科目
- 伝送交換
- 電気通信システム
- 法規
- 伝送交換設備及び設備管理
- 線路
- 電気通信システム
- 法規
- 線路設備及び設備管理
- 回答方法
- 択一方式(マークシート方式)
- 科目免除制度
- 科目合格は3年間有効。有効期限内に3科目合格すれば試験合格となる。
- 「電気通信システム」と「法規」は伝送交換と線路で共通する。(例えば、伝送交換合格後、線路を受ける場合は線路設備及び設備管理だけ受験すればいい)
- 伝送交換
電気通信主任技術者試験・難易度と立ち位置
某ランキングサイトでは、IPAにおける応用情報技術者試験と同程度で偏差値65でした。
なお、自分の体感では応用情報技術者試験よりも若干難しいと感じました。
理由はIPAの午前問題では4択問題ですが、電気通信主任技術者試験では5択~13択問題などがあり、IPAの午前試験と同じような消去法が使えないためです。
一方で、電気通信主任技術者試験には応用情報の午後にある論述が一切ありません。また、実技もありません。論述苦手な人は応用情報では非常に苦しいと思うので、そう思えば電気通信主任技術者試験も応用情報技術者試験も同程度の難易度と言えるかもしれません。
電気通信主任技術者試験・難しいところ
受験者=需要が少ない=体験談が少ないために、「どう勉強すればいいのか分からない」かと思います。
そして、需要が少ないので受験料が高いのもあります。ちなみに、各種無線従事者免許試験はこれの半額未満です。
電気通信主任技術者試験(伝送交換)・必要なもの
- 受験料約3万円
- 試験場までの交通費
そして、試験勉強ですが…。
- 参考書
→オーム社の3冊または、これ1冊で最短合格1冊があります。どっちも長所短所があります。
①電気通信主任技術者試験 これなら受かるシリーズ 3冊
〇電気通信主任技術者試験 これなら受かる 電気通信システム
〇電気通信主任技術者試験 これなら受かる 法規
〇電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理
②これ1冊で最短合格
- 過去問
〇電気通信主任技術者試験全問題解答集: 伝送交換主任技術者・線路主任技術者
〇公式サイトから過去4回分を落とせます。(解説はありません。)

〇もっと落としたい場合は○○というサイトから落とせます。(解説はありません。)

〇IPAでの過去問道場的なサイトもあります。解説部分は有料です。

電気通信主任技術者試験(伝送交換)・オススメする勉強法
①電気電子通信系、あるいは情報系NW専門の人
→オーム社の3冊をやり込む(任意)
→過去問サイトで過去5年分(10回分)をやり込む
②情報系で一定の能力がある人(IPA応用情報合格レベル以上)
→これ1冊でを一周して、通信分野の全体像を掴む
→オーム社の3冊をやり込む(任意)
→過去問サイトで過去5年分(10回分)をやり込む
なお、①②いずれの場合でも、過去問サイトで問題を繰り返す際は解説も必要です。
過去問サイトでは、1つの試験解説で約200円です。(電気通信システム158円、伝送設備298円、法規178円)、10回分(過去5年分)を3科目分買うと、1,580円+2,980円+1,780円=6,340円です。過去問サイトで過去問を周回する際はかなり便利です。
一方で過去問本は、
で、7,000円程度で入手できます。
電気通信主任技術者試験(伝送交換)・科目ごとの勉強法
○全体
→過去問にない問題も出ることもありますが、せいぜい数問程度なので、過去問5年分10回分の正答率を90%以上にしておけば、本番で正答率60%以上は余裕で狙えます。
○法規
→要点は、条文の間違い探し。コツ&頻出の間違いフレーズがあるのでそれを覚え込む。(間違いのフレーズは過去出題のものが流用されるので過去問をしっかり取り組んでおけば対応できます。)
○伝送(伝送の設備)
→概ね法規と同じ。
→一部に計算問題がある。対数計算(システムの信頼度、SN比等)、トラヒックの計算(アーラン等)がある。
○電気通信システム
→計算問題の割合が多いが、知識問題もある。伝送と出題が被る部分もある。
計算問題に慣れるためにも過去問を何周もする。
個人的な難易度は、
法規>>>伝送>電気通信システム
でした。(実際受験した結果、3科目で法規が一番点数が悪かったです…)
電気通信主任技術者試験(伝送交換)・自分の軌跡
- 10月
- 試験申込
- これなら受かるシリーズ参考書3冊購入、電気通信システムの参考書から読み始める
- 11月
- 電気通信システムの参考書を進めつつ、既に通り過ぎた問題を何度も繰り返す。(が、すぐ忘れる)
- 12月
- やっと電気通信システムの参考書が終わる。次は法規の参考書、伝送の参考書を進めていく。この2冊についてはあまり引っかかるところは多くなかった。
- ここから過去問に取り組み始めるが、結局は試験までに過去2年分4回分しか取り組めずに終わる。
- 1月
- 受験、解答パターンは暗記していたので全てを回答するのにそんなに時間はかからない。どの科目も1時間程度で途中退出した。
- 受験したあとの水曜日10:00に正答例が公開される。答え合わせをすれば各科目の合否がわかる。(自己採点の結果、法規が62点。マークミスがあれば不合格濃厚。震え始める)
- 2月
- 合格発表。3科目合格で試験合格だった。速やかに資格証申請する。今は電子申請した方が費用は安くつくし、ネットバンキングで手数料を払えるのでラク。

※不合格の科目があれば、その科目だけ次回の試験で再チャレンジする。
※e-govの申請方法や返信封筒の送り方等の詳細は以下の記事を見てほしい。アマチュアの無線従事者免許申請とほぼ同じです。
- 3月
- 電気通信主任技術者資格者証が届く。(これで通信系企業への○職も狙える)
ー今後の予定ー
- 5月
- 一陸技の申込をする。当然、一陸技の基礎と無線工学Aは科目免除の手続きをする。電気通信主任技術者資格者証の番号を申し込み時に記載すればいい。
- もし、7月も電気通信主任技術者試験を受けるのならば、一陸技の試験で基礎と無線工学Aだけを受験しないでおく。そして、後付で科目免除申請して、無線協会に一陸技の合格証明願を出す。
〇e-govの申請方法(参考)
〇注意点
→電気通信主任技術者試験は合格後3ヶ月以内に各地域の総合通信局へ資格証の申請をしないといけません。これを過ぎてから申請したい場合は、過去の3科目合格(ただし有効期限は合格の翌月から3年間)を根拠とした全科目免除申請をする必要です。お金もいります。
一方で、無線従事者免許は試験合格後いつでも免許申請できます。試験合格の有効期限はありません。
電気通信主任技術者は無線従事者免許と、試験内容、資格/免許申請方法、監督省庁(総務省)などなどが似て非なるものなので、そのあたりは要注意です。
次回予告
以下のような記事を書く予定です。(受験する予定です)
- 無線従事者免許
- 無線従事者免許・第三級第四級アマチュア無線技士(復刻)
- 無線従事者免許・第一級第二級アマチュア無線技士
- 無線従事者免許・第一級陸上無線技術士
- 無線従事者免許・第一級総合無線通信士
- IPA
- IPA・情報処理安全確保支援士試験
- その他
- 第二種電気工事士試験
- Microsoft Certified
- Microsoft Certified: Azure Administrator Associate(AZ-104)
- Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert(AZ-305)
- Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate(AZ-500)
- Microsoft Certified: Cybersecurity Architect Expert(SC-100)

