情報系学科の論文の書き方

IT

私は私立大学情報系学科から国立大学情報系学科へ3年次編入して、大学の学士課程を通算4年間で卒業しました。そして、国立大学の修士課程も修了しました。

今回の記事では、情報系学科の卒論・修論の書き方から、情報系の研究・論文の基本についてお話しします。学位論文のテンプレートに困っている方は、データを配布していますので是非ご活用ください。

この記事のターゲット

今回の記事は、以下の方をターゲットにこの記事を書いています。

  • 情報系に興味がある方
  • 情報系学科で卒論・修論を書こうとしている方
  • 情報系の研究・論文事情を知りたい方
  • 博士の取得を考えている方
  • LaTeXを使って論文を書きたい方

はじめに

(情報系学科であるかを問わず、)学士課程4年生(B4)になられた方や、大学院修士課程1年生(M1)になられた方は、研究活動の中でスライドや論文を書くことになると思います。

スライドや論文の作成は研究活動においてとても重要です。なぜならば研究成果を他の研究者にご理解いただかなくては(査読を通過しなくては)、研究成果の価値を証明できないからです。

スライド・論文:フォーマット

フォーマットはWordとLaTeXが主流です。

学会に論文を投稿する際にもどちらかのフォーマットを指定されることがほとんどです。

情報処理学会ではジャーナル(査読付学術雑誌論文)と研究報告(査読無論文・予稿)のフォーマットとしてLaTeXスタイルファイル、MS-Wordテンプレートファイルを公開されています。

LaTeXスタイルファイル、MS-Wordテンプレートファイル-情報処理学会
情報処理学会は、1960年の設立以来、めまぐるしく発展する情報処理分野のパイオニアとして、産業界・学界および官界の協力を得て、指導的役割を果たしてきました。論文フォーマット(LaTeX版、MS-Word版)をダウンロードすることができます。

ちなみに、数年前ではWordの数式機能の品質が悪いからLaTeXにすべきという暗黙の了解があったそうですが、近年ではWordの数式機能の能力が向上したらしく、Wordの利用者も増えてきているといううわさを耳にしました。

スライド・論文:エディタ

私のおススメは、Visual Studio CodeまたはTeX Liveです。

いずれも無料で入手でき、少し手を加えて環境構築することで使用できます。

Visual Studio Code/LaTeX - TeX Wiki
TeX Live - TeX Wiki


私が学生の頃はTeX Liveを使っていましたが、今はVisual Studio Codeを使っています。

2024年現在ではVisual Studio Codeを使うのが良いと思います。
拡張機能が豊富で、GitHubを用いた版管理も容易です。

エディタの設定:Visual Studio Codeの導入

「LaTeX VS Code」と検索すると色んなサイトがあります。

主にやるのは「LaTeXのコンパイル設定」と「拡張機能のインストール」だと思います。(コンパイル設定はTeX Liveでもやります。)以下のサイトにやり方が載っています。

Visual Studio Code/LaTeX - TeX Wiki

Visual Studio Codeはとても便利なのですが、メモリを多く消費するので最低でも16GB以上のメモリを積んだPCで作業するとよいでしょう。(8GBではかなり重いです。)

また、GitHubのアカウントを紐づけておくと、別のPCにVisual Studio Codeを入れた際に、諸設定がそのまま引き継がれます。とても楽です。

エディタの設定:フォント

論文作成において、論文の大半を占める文字のフォント選択は最も重要です。MS明朝やMSゴシックにこだわる必要はありません。

macの人はOSに最初から入っているヒラギノフォントが使えます。超おすすめです。

windowsの人は原ノ味フォントを使いましょう。ちなみに現行のTeX Liveは原ノ味フォントがデフォルトになっています。

TeX Live 2020 で原ノ味フォントを使う
TeX Live 2020 で原ノ味フォントが正式に組み込まれ日本語の既定フォントになったようだ。

windowsユーザーでヒラギノフォントを使いたい場合はフォントを購入すれば使えます。約3.6万円ほどです。

Bitly

また、ヒラギノフォントは京都市がふるさと納税の返礼品として指定しています。ふるさと納税で買う場合はAmazonで購入するよりも約2倍です。

【ヒラギノフォント】<macOS採用のフォント>ふるさと納税パック ヒラギノ基本6書体(CD-R)SCREEN - 京都府京都市|ふるさとチョイス - ふるさと納税サイト
京都府京都市のお礼の品や地域情報を紹介。お礼の品や地域情報が満載のふるさと納税No.1サイト「ふるさとチョイス」なら、地域の魅力を知ったうえで、あなたが応援したい地域に簡単・便利にふるさと納税で寄付ができます。

WordやLaTeXにフォントをインストールする方法は各自で調べてみてください。

エディタの設定:辞書・校閲機能

エディタの辞書・校閲機能は有効にしておくことをお勧めします。なぜならば、誤植は査読で大幅な減点を喰らうからです。

最近では学会で発表した査読無し論文や予稿も永久的にオンラインで公開されることが多いです。永遠に恥を残すことになります。簡単な仕組みで防げるミスは確実になくしていきましょう。

学位論文(卒論・修論・博論)のテンプレートにお困りの方へ

学位論文用のテンプレートを配布します。しっかりしている研究室や、主要大学・学科自体がテンプレートを配布されていることが多いと思いますが、何も無くて困っている人は是非ご参考にしていただければと思います。卒論と修論の時に作りこんだので何かと便利だと思います。ご自由にお使いください。(複製・改変OKです)

  • 目次に図や表、ソースコードの一覧が表示される
  • 目次や引用部がハイパーリンク対応
  • ソースコードを掲載可能
  • ページ数が正しく表示される

以下のURL先(Google Drive)からダウンロードしてください。
Visual Studio Codeでコンパイルする際に、エラーが出ないようにしておきました。(TeX Liveではエラーが出ちゃうかもしれません。ご容赦ください。)

202402_template - Google ドライブ

なお、スライドと予稿のフォーマットは以下をおすすめします。

  • スライド:beamer
  • 予稿:情報処理学会の研究報告フォーマット

研究・論文とは①:論文の全体像

通常、研究成果は以下のように昇華させていきます。
こうして、卒論や修論、学会予稿が、本物の論文=査読付論文になっていくと考えてください。
一方で、博論は複数の査読付論文をもとに作成します。(詳細は後述)

情報系ではこのような感じです。情報系以外の分野、あるいは、ジャーナル・国際会議の独自の運用などもあるので、状況により多少異なる部分はあるかと思います。

最終目標はジャーナルのフルペーパーですが査読が厳しいので、途中にレターや国際会議を挟むことで、研究業績を着実に積み上げていきます。

【論文区分の補足】
※レターは4ページ程度、フルペーパーは8~10ページ(場合によってはそれ以上)程度の論文です。
※フルペーパーはレギュラーペーパーなどとも言います。
※レターは研究速報などとも言います。
※査読付きの論文を総じて、原著論文とも呼びます。

【ジャーナルの補足】
※ジャーナルは学術雑誌とも言います。
※レターや国際会議を経ずにいきなりジャーナルに投稿する例は普通に有ります。

※(特に国際)ジャーナルは査読回数が無制限で、採録/不採録が確定するまで時間がかかりすぎることが多いことから、博士課程学生は1~2報目の投稿先に国内(の主要学会が運営する、採録決定までの期間が短い)ジャーナルを選択されることが多いように見受けられます。
(中には、1報目を権威のある国際ジャーナルに採録させて、その業績だけで博士号を取得されている方もいらっしゃいます。)

※総説(解説、レビュー、サーベイ)論文というものもあります。ジャーナルで、レターやフルペーパー以外の区分で募集していることがあります。通常の論文では、1本の論文で研究内容を完結=self-containedさせなければならないのに対し、総説論文は一分野/複数の研究を網羅的に取り扱うため、引用する論文の数を一定数以上にしないといけない条件があります。

※ジャーナルによってフルペーパーやレターの呼び方はまちまちです。
例えば、情報処理学会論文誌ジャーナル(ここではトランザクションとは区別します)では、論文=フルペーパー、テクニカルノート=レターのように読み替えます。
また、電子情報通信学会論文誌では、論文/Paper=フルペーパー、レター=レターのように読み替えます。


【国際会議の補足】
※国際会議論文は国際会議予稿、(予稿集を語源として)プロシーディング、プロシーディングスなどとも言います。また、フルペーパーであることが多いです。

※国際会議でNO SHOW/ノーショー(会議に発表者が現れないこと)の場合にはその論文は会議録・予稿集に掲載されないことが多いです。その場合、研究業績と見なされません。
※トップカンファレンス(権威のある国際会議)に採録された国際会議論文のほうが一般のジャーナルと同等か、それ以上に高く評価される場合があります。(これと同時に、その論文でもってその研究は完成された=ジャーナルには投稿しない、とも扱われたりもします。)

※ジャーナル・国際会議の両方の規定で支障がなければ、国際会議論文をそのままフルペーパーとしてジャーナルへ投稿する(内容はそのままで書き直さない)ことができます。
一方で、トップカンファレンスでは会議側の規定でNGとしている事が多いです。

【査読無し論文の補足】
※国内の主要学会での発表(査読無)では予稿の提出が求められます。予稿は1~4ページで研究成果をまとめます。予稿集はその学会の参加者に配布されるか、一定期間後、または一定期間内に限りオンラインで公開されます。
一方で、予稿の代わりに300字程度の概要提出を求めるところもあります。

※査読無論文の中に、大学や研究機関が独自に発行する「紀要」というものがあります。(京都大学数理解析研究所の講究録は有名です。)
紀要は査読がないか、あったとしても査読が甘いので研究業績になりませんが、斬新なアイデアや、失敗例を載せることが出来るなど、当人以外の研究者のためになるかもしれないという学術上のメリットがあります。
また、敢えてジャーナル・学会に投稿せずに紀要に論文を載せて、将来の研究者に発掘されようと企んでいる方もいらっしゃるそうです。

サンキュータツオは「査読が甘い雑誌」の一例として大学の紀要を挙げ、「査読が甘いということは悪いことではない。そういう雑誌にこそタガを外して思い切り言いたいこと、やりたいことを追求している人がいる」「一番気が抜けないのは、そのジャンルの流行ではない手法やテーマをあつかった論文が、査読の甘い雑誌で、ひそかに時代が変わるのを待ちながら投稿されている場合だ。彼らはパラダイムシフトが起こる時を、ただひたすらに待ち、淡々と己が道を究めているのだ」と好意的に評価している

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%80%E8%A6%81#CITEREF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%84%E3%82%AA2017
紀要の意義|小学校教員から大学教員になるまで
今回は紀要についてお話ししたいと思います。 紀要とは 「紀要」という言葉は、大学関係者や研究を仕事としている方でなければ馴染みがない言葉だと思います。 「紀要」とは、大学などの研究機関が発刊している学術情報誌のことです。 (学術情報誌とは、様々な研究成果をまとめた雑誌のことです。) 基本的には大学であれば短大を含めたほ...


※情報系ではarXivや大学のレポジトリに、プレプリントと呼ばれる投稿前の論文を公開することがあります。プレプリントとはジャーナルなどに投稿する前の論文を公開するというもので、もし論文がジャーナルなどに採録されずとも、オンライン上に残しておけます。arXivではDOI/Permalinkも発行されるようになりました。(DOI/Permalinkがあればリンク切れの心配が無く、引用しやすいです。)

arXivにアップされた論文は、最終版をジャーナル側で、採録されるまでの論文をarXivで、それぞれ保持させます。


【その他】
※単に”論文”というと、研究業績と言えるジャーナル・権威のある国際会議の論文を意味します。
※日本国内で査読付の国内学会が行われることが稀にあるそうです。その場合、和文でも投稿できます。
※ごく稀に、特許が絡む研究成果が出た際は、学会発表や論文投稿に先立って特許申請するそうです。また、卒論/修論/博論の審査は通常の学生とは別に非公開、隔離して行われたりすることもあるそうです。

※ジャーナル論文まで行った後は、新しい研究を進めます。(たいていの研究者は、ジャーナルに採録されないことも想定して、複数の研究課題を並行して進めるそうです。)

次の研究=新しい研究のタネは、すでに通っているジャーナルを引用して、(理由は後述)

  • 未解決問題を解決する
  • 既存の研究成果を発展させる
  • etc.

のように新たな目的・モチベーションを見出して、研究を継続していきます。

ちなみに、論文の価値は権威のあるジャーナルや国際会議に採録させるだけでなく、論文採録後にその論文が引用されることでも論文の価値は高まります。

研究・論文とは②:著者について

論文の著者の並びは重要です。

特に重要視されるのは、筆頭著者(ファースト)ですが、大学や分野によっては責任著者(コレスポ)・最終著者(ラスト)も重要視されます。

  • 筆頭著者(ファースト/First Author):最も論文に貢献した方、主たる著者
  • 責任著者(コレスポ/Corresponding Author):論文投稿から出版、出版後の読者からの問い合わせ対応までのすべてのプロセスに責任を持つ方(責任著者としての役割を果たすためにジャーナルにメールアドレスを載せたりします)
  • 最終著者(ラスト/Last Author):研究グループのリーダー・最高責任者の方(いわゆるPI:研究主宰者や、ボスと呼ばれる先生がなることが多い)

※もし単著論文の場合は必然的に1人3役となります。
※大学における研究では、筆頭著者が学生。責任著者が准教授~助教、あるいは学生も含む1~2名。最終著者が教授になることが多いです。
※2役を兼任することもあります。責任著者は複数設定できることがあります。
※筆頭著者が学生で博士課程へ進む気がない場合、大学教員が筆頭著者になったりもします。

※ジャーナルによっては筆頭著者を複数設定できるそうです。これをイコール・コントリビューション(Equal Contribution)というそうです。(情報系では見かけたことがありません。)

※博士論文を書く場合は、基本的に博士論文のもとになる論文の筆頭著者になっておく必要があります。(詳細は後述)

研究・論文とは③:査読付論文の投稿料について

論文が査読を通過すると投稿者は投稿料を払わないといけません。かなり高いです。

例えば、情報処理学会論文誌に10ページの論文が採録された場合、投稿料(掲載料)は163,900円です。他のジャーナル・学会も似たような価格帯です。

論文誌ジャーナル(IPSJ Journal)原稿執筆案内-情報処理学会
情報処理学会は、1960年の設立以来、めまぐるしく発展する情報処理分野のパイオニアとして、産業界・学界および官界の協力を得て、指導的役割を果たしてきました。ご投稿の前にご一読ください。

たいていの国際会議の投稿料も円換算するとそれぐらいします。それに加えて渡航費も必要です。とにかくお金がかかります。

一方で、国際ジャーナル(SpringerやElsevierらの出版社がバックにあるジャーナル)の場合は、オープンアクセスにしなければ投稿料が不要にできたりもします。(オープンアクセスにすると、相場としては国内のジャーナルよりも高額な投稿料を払わないといけませんが、多くの人に見てもらいやすくなるメリットはあります。)

学生の論文を投稿する場合は、基本的に共著の指導教員が工面します。
指導教員は大学から与えられる研究費や、獲得済みの科研費(競争的資金)などから支出します。

※学生が何かしらの研究費を獲得していればそこからも支出します。DC(学術振興会特別研究員)の例が有名です。DCに通ると年度上限150万円まで研究費が使えるそうです。

※科研費やDC持ちの著者は、投稿料を負担して論文の謝辞に科研費番号を載せます。そうして、科研費やDCの研究費で査読付論文を通したという実績になります。オープンアクセスにすれば多くの読者に論文を読んでもらいやすくなります。

実績があると次の競争的資金も当たりやすくなります。

逆に、競争的資金が止まって研究費の資金繰りが悪くなると、論文の投稿頻度が落ちて負のループに陥る(研究成果出せない▶論文出せない▶科研費取れない▶研究室に優秀な学生が集まらない▶…)ということも全然有り得ます。

例えばこんな話もあったりします。

論文の投稿料であれだけお金がかかりますが、研究成果を出すための実験にも当然お金がかかります。

研究・論文とは④:博士論文と査読付論文

博士論文は数本の査読付き論文をもとに書きます。

博士論文のもとになる論文を”根拠論文”や”参考論文”とも呼びます。(以下、根拠論文とします。)
また、1つの根拠論文は1つの博士論文にしか使用できません。

そのような経緯から、根拠論文が共著の場合は、承諾書を共著者全員に書いてもらうか、責任著者に書いてもらう必要があります。(博士論文を審査する大学・研究科による)

トップジャーナルやトップカンファレンスに論文が採録される、あるいは、価値の高い学会賞を受賞していると、博士論文の根拠論文はその論文1本で済みます。その場合は、博士論文の審査報告書の特筆事項として「根拠論文が著名なジャーナル・国際会議に採録されている」「根拠論文で学会賞を受賞している」などと書かれます。

つまり、根拠論文1本の博士論文は、

  • 論文が出せなくてお情けで合格が出た場合
  • 素晴らしい業績で合格が出た場合

と、大きく明暗が分かれます。博士論文の巻末にある著者の業績欄を確認しましょう。著者の業績欄がない+審査報告書にも何も書かれてない場合は、つまりそういうことです。

※某旧帝大の某研究科(複数例)では、根拠論文無しでも博士論文の審査を受けれるらしいです。つまり、(研究分野ごとの専門家集団がいる)学会にその研究成果の価値評価を委ねずとも、大学独自で評価することができるという自信・権威の現れなのかもしれません。

※博士論文に査読付き論文が何本必要になるのかは、

  1. 大学・研究科の基準
  2. 研究分野の情勢
  3. 採録された論文のジャーナル・国際会議の評価(価値)
  4. 学会賞の有無とその価値
  5. 指導教員(教授)の裁量

によります。

1->同じ大学でも、きっちりジャーナル3本を要求する研究科があれば、そうでもない(つまり3本じゃなくてもOKだったり、国際会議論文を0.5~1本に換算できたりする)研究科があったりもします。(いずれも同じ情報系の研究科)
あるいは、0本でも博論を出せる大学・研究科もあるそうです。

2->同じ情報系でも、研究分野によって論文が生まれやすい・生まれにくいという差はあります。生まれにくい研究分野だと、ジャーナル1本の価値は相対的に高くなります。

3->ジャーナルや国際会議は多く存在しますし、それぞれの評価(価値)は千差万別です。査読が緩いところの究極形が「ハゲタカジャーナル」と呼ばれるものです。(ハゲタカカンファレンスみたいなものも当然あります。)
そういうところに論文を通してしまうと、あとから困ることになります。よっぽどのことがないかぎり過去の業績は消せないからです。一方で、査読が厳しいところに論文を通しておくと、その1本だけで博論にできる可能性が高まります。

4->学会賞は論文の価値を大きくブーストさせます。ただし、小さな発表会の受賞は大した価値にはなりません。主要学会の学会賞は競争相手が多く、その賞の価値は必然的に高まります。

5->なんといっても、指導教員(教授)の裁量が大きいです。より具体的には、学生の研究業績1~4の要素を総合的に評価して、指導教員が、博論の審査委員会や、最終的に学位授与を決定する教授会を説得しきれるか?になります。

研究・論文とは⑤:査読付論文の採録率

ジャーナル・国際会議によって採録率・採択率は異なります。権威のあるジャーナル・国際会議ほど採録率が下がります。

例えば、情報処理学会が発行するジャーナルである「情報処理学会論文誌」では、全体の採録率は約45~50%程度です。
(情報処理学会論文誌にはジャーナル・トランザクションがあり、ジャーナルの英語版に相当するものとしてJIPがあります。計3媒体です。トランザクションは分野別で存在し、学会内の研究会が運営しています。)

「ジャーナル」,「JIP」,「トランザクション」のいずれも,採択率の平均は 45%~ 50%程度である.

https://www.ipsj.or.jp/magazine/9faeag000000yx8j-att/6009ronbun.pdf

一方で、電子情報通信学会が発行するジャーナルである電子情報通信学会論文誌(通称、信学論)は、ジャーナルの種類・レター/ペーパーの区分で細かく採録率が公開されています。レターは採録されやすいですが、全体的には情報処理学会の場合と同程度とみて良いでしょう。

Statistics:Accepting ratio, review period etc.

研究・論文とは⑥:査読について

ジャーナル・国際会議に論文を投稿すると、そこの編集委員会の編集委員が1人が1論文に割り当てられます。(場合によっては編集委員は2~3人だったりもします)

〇ジャーナルの場合
その編集委員が査読者を選定して、投稿された論文の専門分野の先生に査読依頼をします。
査読者からOKが出たら査読が始まります。

編集委員が査読者に論文を回す前に、論文の出来が悪いか、論文とジャーナルの分野が異なるという理由で、いきなり不採録とすることもあります。(エディターキックと呼ばれます)

編集委員もまた第三の査読者、あるいは、第一の査読者として査読に加わる場合もあります。(もともと編集委員が査読を行う規定になっている場合、あるいは、査読者間で意見が分かれてしまった場合など)

〇国際会議の場合
国際会議においては論文の募集から会議の開催までが短期間になってしまいますので、査読は編集委員会のメンバーが行うことが多いそうです。

〇全般的な話
情報系の研究分野は数多くあるのですが、不採録となった論文をそのまま別のジャーナル・国際会議に投稿しても、同じ査読者に当たって再び不採録になりやすいと言われます。(他の分野でも同じだと思います。)

投稿者が査読者を推薦できる場合はあるのですが、原則として査読者は投稿者と利害関係が無い人から選ばれます。(投稿者が特定の人物を査読者から外してほしいという要望を出せる場合もある。)

投稿者には査読者が誰か知らされません。(シングル・ブラインド・レビュー)
また、査読の公平性をもっと高めるために、論文を査読者へ送る際は投稿者名を伏せるところもあります。(ダブル・ブラインド・レビュー)

〇査読の問題
ダブル・ブラインド・レビューは完全公平な査読を実現できそうに見えますが、論文投稿に先立って学会で発表することは多いため、キーワードや内容から投稿者を推測することは容易です。

そのような背景があるため、学会の中で嫌われてる研究者というのは、どんなに良い研究成果を出したとしても、査読が通らない事態になりかねないということです。

ちなみに、学会発表がジャーナル投稿の条件になっていたり、学会発表と同時にジャーナル投稿を受け付けるジャーナル&学会の例もあります。

研究・論文とは⑦:二重投稿について

すでに採録決定済みの査読付論文を別の国際会議やレター、ジャーナルに投稿する場合は二重投稿にならないように気を付けます。

最近は二重投稿に対して厳しいみたいです。例えば、以下の例があります。

・国際会議論文と全く同じ原稿をジャーナルに投稿する(この例がOKな国際会議・ジャーナルもある)
・ジャーナルの和文論文を英訳して、別のジャーナルや国際会議に投稿する
・逆に、ジャーナル・国際会議の英文論文を和訳して、別のジャーナルに投稿する
・査読中の論文の採録決定を待たずに、別のジャーナル・国際会議へ同じ論文を投稿すること

なお、「国際会議論文と全く同じ原稿をジャーナルに投稿する」ですが、ジャーナル・国際会議側がOKであっても、研究機関側がNG(業績評価の対象は片方の論文だけになる等)という場合もあるらしいので、投稿先の規定だけでなく、所属先にも確認しないといけません。

ちなみに、すでに発表済みのレター論文や国際会議論文をジャーナルに投稿する際は、元になった論文の投稿時の査読結果や会議の質疑応答を論文に反映させて3割程度を加筆する、かつ、元の論文を引用する、などで二重投稿と見なされないようにできるそうです。(レターはページ数が少ないので、フルペーパーにする場合は必然に大幅な加筆対応をすることになります)

<記事紹介> 会議論文をジャーナル論文に書き直すのは二重投稿? 倫理違反にならないためのポイントは
同じ内容の論文を別のジャーナルに同時に、または期間を置いて投稿・掲載する行為は、二重投稿(二重出版)として出版…

研究・論文とは⑧:不正の認定

二重投稿をはじめとする不正の認定は、

  1. 論文を採録したジャーナル・国際会議の編集委員会
  2. 研究者が所属する研究機関

それぞれが独立して行います。ジャーナル・国際会議(の編集委員会)が不正を認定した場合、取り下げなどの処分が下ります。研究機関側が認定した場合は研究者に論文を取り下げさせたりします。

研究者の業績ともいえる論文の取り下げは、研究者にとって大ダメージになります。

具体的には、降格や減給、科研費などの競争的資金の没収や応募制限にもつながります。(お金がないと研究はできませんね。)

また、博士論文の根拠論文が不正に絡むと最悪の場合、学位取り消しになります。

研究不正の代表例は、以下の通りです。

卒業研究・修士研究の進め方①:卒論や修論の一連の活動で必要なもの

たいていの場合、卒論や修論の提出・審査・発表の一連の流れで必要になるのは、

  • 論文
  • 予稿(論文を要約した1~4ページの論文)
  • スライド

の3つです。卒論や修論の最終発表・審査ではこれらがセットで必要になります。(緩い大学・学科では予稿1ページの提出だけで済むこともあるとか…)

また、学士修士博士と課程別で求められる発表内容は大学・学科でまちまちなのですが、

  • 学士・卒論→発表8~10分間(スライド10枚、質疑も同程度の時間)
  • 修士・修論→発表10~15分間(スライド15枚、質疑も同程度の時間)
  • 博士・博論→発表30分間(スライド30枚、質疑も同程度の時間)

以上が、相場になると思われます。

これらを書く言語・フォーマットは統一し、まずは論文から仕上げることをオススメします。
例えば、latexで論文を書いていれば、そのソースを予稿やスライドにそのまま移植することができます。圧倒的時短になります。

卒業研究・修士研究の進め方②:B4~M2の過ごし方

大まかには以下の流れです。

学科4年生(B4)の中間発表では、これからどんな研究をするのかを発表すると思います。研究の目的・意義をしっかり発表するために、研究課題探索をします。要するに、論文調査(サーベイ)です。これから取り組む研究分野ではどんな課題があるのかを見極めるのですが、B4では素人も同然なので、その研究分野の第一人者である指導教員の指導をいただきながら、課題を見つけていくことになります。

大学院1年生(M1)になったら、多くの方はB4の研究を継続すると思います。研究もやりつつ、大学院講義を受講し、後輩の指導もやらされたりします。やることが多いです。

また、卒論のできが良かった場合は指導教員がB4の3月か、M1の夏あたりに学会発表しようと促してくると思います。(修士の間にジャーナル・国際会議論文を採録させるためにも、)可能であればこのルートに乗っておきましょう。
もし学会発表で良い反応が得られたならば、いよいよジャーナル・国際会議論文を投稿しようという話になると思います。
そうでない場合でも、しっかりやっている大学院では2年間で1回は学会発表を修了の条件にしているので、どっちみちどこかで学会発表を経験します。

修士課程が終わるまで(厳密にはM2の1月あたりまで)にジャーナル・国際会議論文(または採録決定)があると、JASSOの奨学金返済免除の学内・学科選考で大幅に有利になります。論文提出のない国際会議の発表実績であっても有利に動きます。(詳しくは、特に優れた業績による返還免除で検索するか、大学内の情報を探してみてください)

M1の5~6月あたりでインターンの募集が行われるので、行きたい業界・職種がハッキリしている方はそれにも取り組みます。インターンに通過し、インターン先の評価が良いと内々定がもらえるか、あるいは早期選考のお誘いが来ます。

可能であれば留学もなるべくに早めに行っておきます。2週間程度の短期留学であれば指導教員からOKが出やすいと思います。学会発表を予定していないM1の長期休みの合間を狙って海外留学に行きます。

M2になると最終発表(公聴会)があります。

質疑内容、審査員の判断によっては、提出した卒論/修論や予稿の修正を求められることがあります。

基本的に大学としては学生をさっさと修了させたい(まっとうな教授らは、学生指導以外に様々な校務でとても忙しいので余計な仕事を増やしたくない)ので、よっぽどのことがない限りは面倒なことにならないと思います。

しかし、教員同士の軋轢や不仲が原因で、卒論/修論や予稿の修正を求めてくることもあります。この場合、嫌がらせしたい気持ちが論文修正を求める動機になりますので、泥仕合になりかねないです。(経験談)
そのようなことから、よく分かっている指導教員は、指導している学生の論文審査(主査)に、敵対関係にある教員(教授~准教授)を指名・依頼しません。

たいていの場合、最終発表(公聴会)を終えたならば、これ以上やることは無いので卒業旅行とかに行けます。博士課程に進む学生は、3月も研究室に引きこもります。
ちなみに、私は博士課程に進まなかったのですが、公聴会の2週間後に大きめの学会で発表(修士課程で2回目の学会発表)を控えていたため、公聴会後もしばらく研究室に引きこもっていました。

これはちょっとしたアドバイスなのですが、学会や学内で発表するときは、他の人に質疑を記録してもらうか、コッソリ録音/録画しておくことをお勧めします。
(くれぐれも他の人の発表は撮らないようにしましょう。純粋に著作権上の問題になります。)
主な目的は論文修正のために用いますが、どこの大学でもアカデミックハラスメントに該当するレベルの暴言・誹謗中傷を吐く聴衆・教員がいるそうで、その際にはアカデミックハラスメントの告発の客観的証拠、加害者の特定にも使えます。自己防衛は大切です。

(某学会で学会賞を受賞された、有名な若手の先生は、学会発表の質疑応答で暴言を吐かれたことがあるそうです。良い成果を発表できそうな時こそ気をつけなくてはなりません。)

まとめ

今回の記事では、スライドと論文を書くためのフォーマット・エディタの導入から、論文の全体像と卒業研究・修士研究の進め方を紹介しました。

特に論文投稿流れの中で、ジャーナル・国際会議の投稿料が高額であることを説明しました。

あなたが筆頭(主著)のジャーナル・国際会議論文を持っておくと、JASSOの奨学金が返済免除になったり、博士を取る際に博士論文の根拠論文にも使えたりします。
しかし、繰り返しますが、ジャーナル・国際会議論文を出すには査読を通過しなくてはならず、また、(指導教員が)高額な投稿料を工面しなくてはなりません。

つまり、学生が筆頭(主著)のジャーナル・国際会議論文を安定して出している研究室に配属されたほうが良いということになります。そして、(査読付き論文を出す・研究を円滑に進めるために、)その研究室の資金繰り(指導教員の科研費が続いている)というのも重要な指標になりえます。

参考①:LaTeXの知識

もしあなたが大学で指導を十分に受けられない場合は、以下の書籍を紹介します。大抵の情報系研究室では置いてあるはずです。

Bitly

この本の著者は情報系で有名な先生です。


このような本を読まなくてもネットにころがっている情報を集めれば独学で論文は書けます。しかし、論文作成で役に立つようなテクニックや小ネタをネットから拾うことは難しいので、十分な論文指導が受けられない場合はこの本に頼ると良いでしょう。

また、数学寄りの研究(つまり数理)を志望されている方はこの本をオススメします。古い本で絶版になっており入手が難しいですが、数理系のスライドと論文作成のエッセンスが詰まっています。昔の論文投稿のプロセス(SIAM Journalの例)も分かります。

Amazon.co.jp

参考②:デザインのすすめ

冒頭では「研究成果を他の研究者にご理解いただかなくては(査読を通過しなくては)、研究成果の価値を証明できない。」と言いました。

ジャーナルや国際会議の査読を通るには、前提として査読の対象になる論文を良く見せる必要があります。

論文をよく見せるためにフォントを変えたり、あるいは、辞書機能で誤植を防ぐテクニックを紹介しました。

あなたにまだ余裕がある場合は、論文やスライドの構成自体をより良くするためにデザイン工学について学ばれることをオススメします。

スライドや論文のデザイン上の重要ファクターはザッと以下の通りです。

基本

  • フォント→日本語・英語・数式がいずれも見やすいものを選択する。(ヒラギノ、原ノ味など)
  • 配色→1スライドで3色以内に抑える。身近な良い例はVISAやMasterCard、マクドナルドといったブランドロゴなど。色覚多様性に配慮できればなおよい。(ハイコントラストを避ける)

応用

  • スライド全体構成→1スライド1メッセージ、1スライド1分を心掛ける
  • スライド細部構成→図解は3配色&グラデーションで作る。スライド内部はマンガのコマ送りの視線誘導を意識する。比較対象の図は小さく、あるいは色を薄くする。
  • →インパクトがあり、誤解を与えないような指標や数式・システムの構図を載せる。

参考書籍として、デザインの大原則を学ぶことが出来る、ノンデザイナーズブックを紹介します。
知る人ぞ知るベストセラーです。(Amazonでは、図解の基本はノンデザイナーズブックとセットでしか売っていないようです。)

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また、パワポのスライド作成で有名なトヨマネ先生の書籍2本を紹介します。スライドの構成がうまくなると思います。

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参考③:引用と参考文献

研究を進める上で先行事例の調査(サーベイ)は必要になるという話をしました。

これはゆくゆく、あなたが論文を書く際に、参考文献に記載することになるため、先行事例の論文というものは、よく考えて選定しなくてはなりません。英文論文の投稿を考えているならば、より慎重にならないといけません。

指導教員や先輩から引用や参考文献について具体的に教えて貰えない場合は以下を参考にしてみてください。

参考③-1:引用

引用の定義を簡単に表現すると以下の通りです。(詳細はググってください)

  1. 引用元が既に公開されていること
  2. 引用する際は、自分の主張と引用が明確に分けられていること
  3. 引用する際は、引用部を改変せずにそのまま載せること
  4. 引用する際は、引用元を示すこと

1.に着目すると、既に公開済みの論文や著書しか引用することはできないということになります。つまり、学外へ公開していない卒論・修論は基本的に引用できません。(また、卒論・修論は、あなたと指導教員との事実上の共著になるため、勝手にオンラインで公開することはできません。)

(査読の有無を問わず)論文で引用する際は、上記の条件を満たす必要があります。

また、論文の学術的価値を高めるためにも、引用元の論文は学術的価値のあるものから選びましょう。つまり、査読付き論文(や、博士論文)です。

ジャーナルや権威のある国際会議の論文、そして最近の博士論文には、DOIやPermalinkと呼ばれるURL・IDが付与されることが多いです。DOI/Permalinkは永久的に変更されず、また、DOI/Permalinkを踏めば必ずその論文にたどり着くことが出来ます。つまり、DOI/Permalinkの付いている論文は引用に適していると言えます。

博士論文は、学位を授与する大学にて審査=査読を行っているとみなすことが出来ます。基本的には博士論文のもとになっている根拠論文を引用すれば良いのですが、もしも博士論文の根拠論文には一切書かれておらず博士論文にしか書かれていないオリジナリティを引用したい場合は博士論文自体を引用すると良いでしょう。

参考③-2:参考文献

参考文献は「論文で引用が必要になる場合」「この論文に直接関係するレターや国際会議論文がすでに採録されている場合」などに記載します。参考文献の載せ方(体裁)はジャーナル・学会ごとでルールがあるので必ず確認します。

〇採録決定済みで出版待ちの論文を参考文献として載せる場合

→採録決定済みの論文は近日中に公開されるため、将来的に引用の条件を満たすことになるから参考文献に載せることができると判断できます。(ただし、査読中に参考文献の中にある採録決定済みの論文を査読者に提供することが起こりえます。出版前の論文を第三者に提供しても良いか、念の為出版予定のジャーナル側に確認します。)

そのような論文を記載する場合は、最後に(in press)や(accepted)、(to appear)、(採録決定済み)などと記載します。

〇査読中の論文を参考文献として載せる場合

→採録が確定していないため引用の条件を満たすことが確定しません。つまり、参考文献として掲載することは不適切あるいは望ましくないと言えます。

しかし、以下の例外においては引用が可能となる場合があります。

・査読中の論文がarXivへ掲載済みの場合:論文は公開済みのため、引用の条件を満たす。つまり、参考文献として記載できます。

・博士論文の参考文献や根拠論文に用いる場合:大学・研究科や指導教員の裁量によります。博士論文の審査を受ける時点で、採録済みの論文数が、大学・研究科が課す規定数を満たしていれば問題は無いでしょう。(自分の周囲にもこの例に該当する人はいました。)

この場合は、(submitted)や(投稿中)と記載します。

〇和文論文で参考文献を載せる場合

→特に制限はありません。

〇英文論文で参考文献を載せる場合

→原則、英文論文の参考文献には、和文論文・著書は参考文献には載せることはできません。

しかし、どうしても載せたい場合は、少し考えないといけません。(ジャーナル・国際会議の投稿規定をよく読み込みましょう。著者の責任で、論文や著書のタイトルなどを和訳して載せられる可能性はあります。)

もしも、参考文献に掲載したい論文がジャーナル論文である場合は、和文論文でもタイトル(英文)とアブストラクト(英文)が併記されていることが多いため、英文の論文の参考文献として用いることが可能です。

また、そのようなジャーナルには英文のジャーナル名も用意されています。(そういった意味でも、ジャーナルは参考文献に適しているのです。)

参考文献に記載する際は、末尾に(Japanese)などと記載します。

参考④:参考になるサイト・文献

とても分かりやすくまとめられているサイト・文献をご紹介します。

いずれもAI系研究者によるのものですが、とても参考になります。

〇鈴木先生のスライド

https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/wp-content/uploads/sites/10/2020/06/jsai2020_tutorial_suzuki_ver2.pdf

〇松尾先生のページ

松尾ぐみの論文執筆

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